ドコモ、XperiaやGALAXYなどAndroid 4.0スマホ15モデル

-写真などのクラウド拡充。NOTTVは標準搭載へ


発表された新機種

 NTTドコモは16日、スマートフォン2012年夏モデル15機種と、タブレット1機種を発表した。「Xperia GX/SX」や「AQUOS PHONE st/sv」、「ELUGA V/power」などをラインナップし、6月より順次発売する。新機種のうちXperia GXとELUGA powerを除く全モデルがワンセグを搭載する。Android OSはいずれも4.0。

 さらに、「MEDIAS X」などスマートフォン4機種とタブレットの「ELUGA Live」は、4月から始まった放送「NOTTV」(ノッティーヴィー)の受信が可能。また、スマートフォンのうち11機種はLTEの「Xi」に対応する。

 また、スマートフォンの「コラボモデル」として、新機種のL-06Dをベースに「ジョジョの奇妙な冒険」とコラボした「L-06D JOJO」を発表したほか、映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の特別仕様モデルとして3月に発表した「SH-06D NERV」(6月発売)の詳細も公開。さらに、ファッションブランドとコラボした女性向けモデル「F-09A ANTEPRIMA」も発表した。

 サービス関連では、アプリストアのdマーケットにおいて、7月より「アニメストア」を開設することも発表。月額420円で、動画約1万エピソードを見放題とする。「涼宮ハルヒの憂鬱」や、「魔法少女まどか☆マギカ」や「けいおん!」などをラインナップする。

 その他にも、音楽サービスとして、月315円で50番組/2,000曲以上が聴き放題となるサービス「MUSICストア セレクション」を7月に開始予定。

製品名
型番
メーカー
発売時期ディスプレイNOTTVXiその他特徴
NEXTシリーズ
GALAXY S III
SC-06D
サムスン
6~7月4.8型HD
有機EL
-動画ポップアップ
顔認識
2,100mAhバッテリ
ARROWS X
F-10D

富士通
7~8月4.6型HD
液晶
-Tegra 3
防水
REGZA Phone
T-02D

富士通
7~8月4.3型QHD
有機EL
Gorillaガラス
DTCP-IP
防水
AQUOS PHONE ZETA
SH-09D

シャープ
6~7月4.7型HD
CGシリコン液晶
-DTCP-IP
防水
AQUOS PHONE sv
SH-10D

シャープ
8月4.5型HD
液晶
DTCP-IP
アンテナ搭載卓上ホルダ
防水
Xperia GX
SO-04D

ソニー
7月4.6型HD
液晶
-ウォークマンアプリ
DTCP-IP
arcデザイン
ELUGA power
P-07D

パナソニック
8月5型HD
液晶
-急速充電
PCファイル共有
防水
Optimus Vu
L-06D

LG
7~8月5型XGA
IPS液晶
650cd/m2
タッチペン
防水
withシリーズ
MEDIAS X
N-07D

NECカシオ
6~7月4.3型HD
液晶
薄さ7.9mm
DTCP-IP
防水
Optimus it
L-05D

LG
6~7月4型WVGA
IPS液晶
--HDRカメラ
防水
Xperia SX
SO-05D

ソニー
8月3.7型QHD
液晶
-ウォークマンアプリ
DTCP-IP
AQUOS PHONE st
SH-07D

シャープ
6月3.4型FWVGA
液晶
--音楽再生キー
50時間以上再生
音楽ライブラリ無線同期
ELUGA V
P-06D

パナソニック
6~7月4.6型
HD液晶
--DIGA無線転送
DTCP-IP
防水
ARROWS Me
F-11D

富士通
8月3.7型WVGA
液晶
--ラウンドフォルム
防水
F-09D
ANTEPRIMA
6月3.7型WVGA
液晶
--フラワーモチーフ
防水
タブレット
ELUGA Live
P-08D

パナソニック
8月10.1型WXGA
液晶
-ステレオスピーカー
DTCP-IP
防水


■ Xperiaはウォークマンアプリ搭載。音楽や録画番組の無線転送対応モデルも

 Xpreria SX/GXは、音楽再生などの「ウォークマン」アプリを搭載し、高音質技術の「クリアオーディオ」に対応。GALAXY S IIIは、ワンセグなどを観ながらメールやWebなどを使える「動画ポップアップ」に対応することなどが特徴。

Xperia GXXperia SXGALAXY S III

 AQUOS PHONEの3機種のうち、「AQUOS PHONE st」は、音楽再生用のハードウェアキーを側面に備えることが特徴。ワイヤレス充電の「おくだけ充電」に対応し、同機能を使っている間にパソコンのiTunesで管理している楽曲を無線LAN経由でAQUOS PHONEに転送することも可能となっている。転送にはPC用音楽管理ソフト「MediaJet」を使用する。

AQUOS PHONE stAQUOS PHONE ZETAAQUOS PHONE sv

 ELUGA 3モデルのうち、「ELUGA V」は、パナソニックのBDレコーダ「DIGA」のおくだけ充電対応モデルの上に置くことで、充電だけでなく録画番組の転送も行なえることが特徴。「ELUGA power」は5型液晶を搭載する。10.1型タブレットの「ELUGA Live」はNOTTVにも対応。

 REGZA PhoneとARROWSは、DLNA/DTCP-IPに対応し、対応レコーダに録画した番組などを再生可能。REGZA Phoneは4.3型有機ELを搭載し、モバイルレグザエンジン6.0などの高画質機能を搭載。ARROWS Xは、クアッドコアCPUのTegra 3を採用している。

ELUGA VタブレットのELUGA LiveARROWS X

 


SH-06D NERVの実機も展示された

 MEDIAS xは、7.9mmという薄さながらNOTTVやワンセグを搭載。ワンセグを観ながら番組に関するツイートを表示できる「ついっぷるテレビ」や、DLNA機能の「MEDIAS LINK」に対応する。Optimus Vuは5型で4:3のIPS液晶を搭載し、650cd/m2という高輝度表示が可能なモデル。

 なお、端末の詳細仕様については別記事で紹介している。

 


L-06D JOJO
ARROWS Me
MEDIAS XOptimus itF-09D ANTEPRIMA

 


■ 動画/静止画/音楽クラウドサービス強化。NOTTVは標準対応へ

 

山田隆持社長
 2012年夏モデルは、「らくらくスマートフォン」も含めるとスマートフォンだけでも16機種となった。NTTドコモの山田隆持社長は、Android 4.0搭載や、NOTTV機種の拡大、処理性能の向上といった先進性をアピールする一方で、「『スペック』で選ぶスマートフォンから『使い方』で選ぶスマートフォンへ」というコンセプトも提示し、端末に依存しないクラウドサービスを拡充していく方針も強調した。

 山田氏は、同社のクラウドサービスを統合して、今後「ドコモクラウド」というブランドで展開することを表明。このドコモクラウドにおいて、写真や動画のストレージ「フォトコレクション」を提供することや、「しゃべってコンシェル」の機能拡充、「メール翻訳コンシェル」の提供、「dマーケットの機能拡充」を行なうと説明した。

 「フォトコレクション」は、5GBの容量を使えるspモードユーザー用の無料ストレージサービス。スマートフォンで撮影した写真/動画をアップロードすると、自動でグループ分けしたり、スライドショー作成するといったことが利用可能。Android 4.0以上に対応し、発売済みの機種でも利用可能。1ファイルの大きさは静止画が30MBまで、動画は100MBまで対応する。

 外部サービスとの連携も可能で、「Evernote」や、「Eye-Fi」を使ってアップロードした写真や動画なども同様にフォトコレクションに保存できる。そのほかにも、複数の動画や写真にエフェクトやBGMを付けてオリジナル動画を作成できるというデジタルガレージの新サービス「ハイカム」とも連携可能。ドコモの2012年夏モデルのスマートフォン/タブレットで「ハイカム」アプリ(米HilightCam製)から登録すると、HD画質対応で動画の長さが無制限(通常は最大30秒)、容量が3GBまで(同2GB)の有料サービス「プレミアムプラン」(月額350円または年額2,500円)が6カ月無料で利用できる。ドコモユーザー向けの「ムービー演出テンプレート」も用意する。

 

「使い方で選ぶスマートフォン」を強調クラウドサービスの施策Eye-FiやEvernoteなどと連携可能なフォトコレクションサービスも開始

 dマーケットについては、スマートフォンとタブレットでコンテンツを共用できるといった、マルチデバイス化への取り組みを説明。

 スマートフォンで購入した動画や音楽、電子書籍を、同じIDでタブレットなどでも利用可能となり、例えば帰宅中に聴いていた「MUSICストア セレクション」のチャンネルを、家にあるタブレットでも引き続き聴いたり、読んでいた電子書籍の「しおり」を引き継いで、続きを他の端末で読むことなどが可能になる。動画のレジュームは現在対応していないが、今後の実装に向けて検討中だという。

 

アニメ配信で協力する角川グループの角川歴彦氏(中央)と安田猛氏も登壇
 新たにアニメ見放題サービスの「アニメストア」をdマーケットに開設することも紹介。開始にあたり、既に資本業務提携関係にある角川書店と合弁会社「ドコモ・アニメストア」を5月下旬に設立することも決定している。発表会にはゲストとして角川グループホールディングスの角川歴彦会長と、新会社の社長に就任する角川書店の安田猛取締役も来場。角川会長は「スマートフォン時代の新たなコンテンツ体験を提供する。アニメ業界の各社と協力することで、今までにないアニメの視聴機会を提供して、ユーザーとアニメ市場の発展に貢献できる」とした。

 

 山田氏はNOTTVについて、夏モデルでスマートフォン4機種/タブレット1機種を投入するなど強化したことをアピールしたほか、「商品戦略としては、これからは通常の標準装備としてNOTTVを載せたい。そうするためには、NOTTV対応になって高くなってはダメ。コストは下げて、冬モデルからは通常のスマートフォンを買うとNOTTVが観られるようにしていきたい」とした。

 記者から、Android以外のスマートフォン発売について質問がでると、「Windows Phoneは、まだ決まっていないが、冬モデルからできないかと検討している」とした。一方、iPhoneについては「(クラウドサービスなど)ネットワークにインテリジェンスを付けることで“土管化”しないようにするため、しゃべってコンシェルなどの機能を搭載していくことを考えると、オープンOSのAndroidになる。現在の環境では(iPhoneの発売は)難しいのでは」と否定的な見方を示した。

 発表会でもおなじみとなった、CMキャラクターの渡辺謙さんと堀北真希さんも登場。普段からスマートフォンとタブレットの両方を持っており、資料を使うときはタブレット、日常はスマートフォンと画面の大きさで使い分けているという渡辺さん。スマートフォンに求めるものとしては「どんどん便利になっているので、まずつながること、スピード、簡単さ」の3つを挙げた。ARROWS Xを手にした渡辺さんは、「サイズもちょうど良くて、持ちやすくて、見やすい」と評価した。

 「Xperia SX」持って登場した堀北さんは、サイズについて「ほんとに持ちやすいんですよ。私の手でもスポッと収まるサイズで、手の小さい女性にも操作しやすいサイズ。色やデザインも気に入っています」とコメントした。

 サービスについては、「しゃべってコンシェル」を6月に機能強化することを山田社長が説明。生活に密着した疑問や質問などを声で尋ねると、自動で回答してくれるという。実際に使ってみた堀北さんは「ちゃんと答えてくれた時はびっくりしました。ひつじの執事と会話している感じで、楽しかったです」と笑顔を見せた。

 

会場で、渡辺謙さんと堀北真希さんがしゃべってコンシェルを体験。堀北さんが「渡辺謙さんの出身地はどこ?」と尋ねると「わたしの知っている情報では、渡辺謙さんの出身地は新潟県です」と見事に回答。渡辺謙さんは、「堀北真希さんの誕生日を教えて」と聞くと、「1988年10月6日です」と答えた

 



(2012年 5月 16日)

[AV Watch編集部 中林暁]