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【CP+】4K動画カメラや4Kディスプレイ多数。パナソニックGH4など。あまちゃんの能年さんも

会場はパシフィコ横浜

 国内最大級の写真映像関連イベント「CP+ 2014」(シーピープラス2014)が13日、パシフィコ横浜で開幕した。期間は16日まで。入場料は当日一般1,500円で、Web事前登録者は無料。ここでは、4K撮影対応カメラや、それを表示するディスプレイなど、AK関連の話題を中心に、AVファンにも注目の展示をレポートする。

ソニー

ブース内に「4K Photo Museum」コーナー
暗いコーナーに、4K対応BRAVIAを設置。写真家の作品が楽しめる

 ソニーは、ブース内に「4K Photo Museum」と名付けたコーナーを用意。4K対応BRAVIAを壁に配置し、αシリーズで撮影した静止画を4K解像度で表示。写真展のような作りになっており、4K対応テレビを使って、撮影した静止画を高解像度で楽しむ事を、今後のテレビの活用例の1つとしてアピールしている。

 ユニークなのは「推奨される設置方法ではない」としながら、ポートレート写真を表示するため、BRAVIAを縦置きした写真もある事。

 さらにブース内には、3月14日に発売を控える、民生向けの新しい4Kビデオカメラ「ハンディカム FDR-AX100」を展示。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は22万円前後。

 4K/3,840×2,160ドットの30p、24p撮影に対応。新開発の光学系や1インチCMOSセンサーなどを採用し、高品位な4K/フルHD撮影に対応しながら、外形寸法を81×196.5×83.5mm(幅×奥行き×高さ)に抑え、'13年9月発売の4K対応「FDR-AX1」(約42万円)から体積で1/4、質量1/3に小型化した。なお、FDR-AX1では4K/60p撮影が可能だったが、FDR-AX100では4K/30pまでとなる。

コンパクトになった4Kハンディカム「FDR-AX100」
4K/60p撮影対応のFDR-AX1

 また、フルHD撮影用だが、ハイアマチュア向けカムコーダとして1月22日から発売している、NXCAM「HXR-NX3」も展示。新開発イメージプロセッサや、超解像技術を使ったクリアイメージズーム機能を備えたモデルで、実際に撮影が体感できる。

 さらに、CP+開幕に合わせて発表されたばかりの、ミラーレス一眼αシリーズの新モデル「α6000」も展示(3月14日発売/ボディのみ実売68,000円前後)。既発売のNEX-6とNEX-7の両シリーズを統合し、進化させたモデルと位置づけられ、撮像素子は新開発のAPS-CサイズのExmor APS HD CMOS、有効画素は約2,430万画素。α7シリーズと同じ画像処理エンジンのBIONZ Xを搭載。価格を抑え、ファミリー層を対象にしつつも、こだわりの撮影がしたい父親など、新たなユーザー層の開拓を図っている。

ハイアマチュア向けカムコーダのNXCAM「HXR-NX3」
ミラーレス一眼αの新モデル「α6000」

パナソニック

DMC-GH4
GH4の4K映像を表示する4K対応VIERA「TH-L65WT600」

 パナソニックブースのメインは、今春に発売を予定している、4K動画撮影対応のミラーレス一眼「DMC-GH4」。概要は既報の通りだが、マイクロフォーサーズマウントのハイエンドモデル「DMC-GH3」の後継機で、4K/3,840×2,160ドットの30p/24p動画撮影が可能。プロやハイアマチュアだけでなく、映像制作におけるメインカメラとしての利用も主なターゲットとしている。

 HDMI 1.4を備え、動画を撮影しながら4K対応VIERAなどへ4:2:2 8bit出力可能。GH4で動画記録しない場合は、4:2:2 10bit映像の出力に対応。液晶テレビVIERAの4K対応モデル「WT600シリーズ」でGH4の4K動画を再生する場合は、HDMIまたはUSB接続で、MP4形式のみ対応。ブースでは、実際にGH4で撮影した4K映像を、TH-L65WT600で表示するデモが行なわれていた。

 フルHDの高ビットレート記録も可能で、ALL-Intraの200MbpsまたはIPBの100Mbpsも選択できる。AVCHD Progressive/AVCHDは最高1,920×1,080ドットまで対応(AVCHD Progressiveは60p/AVCHDは30p)。ピント位置の異なるライブ画像から空間を認識し、物体までの距離を高速で演算する「DFD(Depth From Defocus)技術」を使った「空間認識AF」も特徴で、AF速度は0.07秒(CIPA基準)。

 なお、開発段階からグラスバレーのビデオ編集ソフト「EDIUS Pro 7」が協力。カメラの発売と同時に、撮影動画の編集にも対応する予定。4K映像は動画編集の処理が重くなるが、ブースに展示されたデモPC(Intel Xeon E5-2640/メモリ16GB搭載)では、4K映像もプロキシファイルを作成する事なく、リアルタイムに編集可能とのこと。「複雑なエフェクトをかけると重くなる場面もあるかもしれないが、通常の編集であればこの程度のマシンで対応できる」という。

GH4の動画を編集するEDIUS Pro 7
完成した4K動画を、4K対応のタブレット「TOUGHPAD 4K UT-MB5」で表示するデモも

 また、SD Associationのブースにおいて、パナソニックはUHS スピードクラス3対応のSDカードを「4K2Kなど高画質・高精細の動画データを記録するのに適したものと」と紹介。64GBタイプの「RP-SDUC64GJK」を参考出品した。

UHS スピードクラス3の概要
パナソニック製の64GB UHS スピードクラス3対応メモリ
4Kタブレットに映像を表示するデモも

キヤノン

 キヤノンブースでは、シネマカメラのEOS C500、1D Cなどで撮影した4K映像を、4K表示可能なデジタルシネマ対応マスターモニタ「DP-V3010」で表示し、4K映画製作のソリューションとしてアピール。

シネマカメラのEOS C500、1D Cなど
4K対応マスターモニタ「DP-V3010」

 また、4Kではないが、現実世界と仮想世界をリアルタイムに融合させる映像技術「MREAL」も展示。手でホールドし、双眼鏡のように覗きこんで楽しむディスプレイ「HH-A1」を使ったデモで、「HH-A1」の動きを検出。それに合わせ、現実世界の映像と、それに重ねたCGを「HH-A1」に表示。あたかも、自分の視界の中に、いるはずのない人物が見え、首を動かした、しゃがむなどしながら、その人物を様々な角度から見る事もできる。

 設計・デザインの現場や、建築・建造業で施主へのプレゼンなどでの活用を想定している。

、双眼鏡のように覗きこんで楽しむディスプレイ「HH-A1」
ステージ上には誰もいないが……
「HH-A1」を通して見ると、役者が舞っているのが見える

 さらに、12日に発表されたばかりのフルHD対応一眼レフ「「EOS Kiss X70」や、動画と静止画を融合させ“思い出をストーリーで残す”をコンセプトとした「PowerShot N100」など、新製品も一挙に展示している。

 「PowerShot N100」は、メインカメラのほか、背面液晶部に「ストーリーカメラ」と呼ばれる撮影者を撮影するカメラを内蔵。カメラで撮影した映像を合成した写真や動画アルバムなどを用いて、旅の模様のレポートなど、それぞれの作品を手軽に作成できる。

フルHD対応一眼レフ「「EOS Kiss X70」
デュアルカメラ搭載の「PowerShot N100」

 また、イベント初日となる13日には、小型ミラーレス「EOS M2」の新しいCMに、「あまちゃん」主演の能年玲奈さんが起用される事が発表。記者発表会も行なわれ、能年さんも登壇した。

 新CMは、EOS M2と初めて出会った能年さんが、机の上に置かれた花や、座っているウサギなどを撮影して楽しむ様子をとらえたもの。彼女の初々しい表情や反応を表現するため、セリフをあえて事前に決めずに撮影に臨んだという。2月13日から放送がスタートする。

新CMの「MY FIRST ミラーレス」篇(30秒)

 能年さんは、背面液晶をタッチするだけでピントが合い、撮影できる事などに驚いた様子で、「カメラで撮影するのは好きなので、これをキッカケに詳しくなりたいと思っていました。素早くピントが合うのでビックリ。ものすごく便利で楽しいカメラです。皆さんもお試しください」と感想を語った。

CM発表会に登場した能年玲奈さん

その他

 NECディスプレイソリューションズのブースでは、5月30日に発売予定の24型4K液晶ディスプレイ「MultiSync LCD-EA244UHD-BK」を参考展示。価格はオープンプライスで、店頭予想は30万円前後。解像度は3,840×2,160ドットで、バックライトはGB-R白色LED。

 従来の白色LEDは青色LEDチップと黄色の蛍光体との組み合わせで白色を作り出すため、緑や赤の領域の発色が不十分だったが、GB-R白色LEDは緑と青の2種のLEDチップと赤色の蛍光体を組み合わせるため、緑や赤の領域の発色が良いという。Adobe RGB相当の広色域を実現している。

NECディスプレイソリューションズの24型4K液晶ディスプレイ「MultiSync LCD-EA244UHD-BK」
TechnoHouseのブースでは、4K RAWの各種デジタルシネマカメラに対応するという7.7型のフィールドレコーディングモニタ「ODYSSEY 7Q」を展示
ニコンブースでは、今後発売が予定されているフラッグシップ機「D4S」が参考展示された
シグマブースでは、レンズ一体型機「dp2 Quattro」を参考展示。従来のFoveon X3センサーとは異なる3層構造を持ち、解像度が向上した「Quattro」センサーを搭載。ラインナップは搭載レンズごとに35mm判換算28mm相当のdp1(19mm F2.8)、45mm相当のdp2(30mm F2.8)、75mm相当のdp3(50mm F2.8)を用意。夏頃にdp2からリリースする予定だという

(山崎健太郎)